ムダ毛の構造と生える周期って?
ツルツルでスベスベの美肌が好む、現代の女性を悩ませるムダ毛。大事な役割があると解っていても、やっぱり好まれない存在。そんなムダ毛は、どのようにして生えるのでしょうか?どれくらいの周期で生えるのでしょうか?
ムダ毛の構造
毛幹と毛根
ムダ毛は毛穴から外に出ている毛幹、毛穴の下にある毛根に分かれます。ムダ毛の2/3が毛根になっています。外に出ている毛幹の部分が、ムダ毛と呼ばれます。余談ですが、寒くなったり緊張したりすると”鳥肌”という現象が体で起きると思います。これは毛根の下に付いている立毛筋が毛幹を立てて起こります。
皮脂腺
毛穴を伝って、汗など脂肪性の分泌物を排出する部分です。皮膚の表面に水分と薄い膜を作り、乾燥を予防して滑らかな状態を維持します。また、ワキやデリケートゾーンにはアポクリン腺が存在し、皮脂腺と異なり、少し粘性のある汗を分泌します。このアポクリン腺の存在が、ワキやデリケートゾーンの特有の匂いの原因になり、女性の悩みの種となっています。
毛根の構造
皮膚の下に隠れている毛根は毛球部、毛乳頭、毛母細胞、毛包から成っています。
毛球部(もうきゅうぶ)
毛の根元の膨らんだ部分です。この部分に毛乳頭と毛母細胞が入っていて、毛を作る元になります。小さい球体ですが、栄養、発生、成長を司る大事な部分です。
毛乳頭(もうにゅうとう)
ここは毛細管と繋がっており、毛を作る基となる酸素や栄養分を取り入れます。そして、毛母細胞に送り込みます。毛乳頭は神経とも繋がっているので、無理に引き抜くと非常に強い痛みを感じます。毛を抜くときに痛みが走るのはその理由からです。発毛や脱毛に関わる部分です。
毛母細胞(もうぼさいぼう)
毛乳頭からもらった酸素や栄養分を使って、細胞分裂を繰り返して、初めて毛が作られます。この部分が生きている限りは毛が生え続けるので、永久脱毛を行う際は毛母細胞を破壊します。毛乳頭をぐるっと囲むように存在しています。
毛包(もうほう)
毛包は毛嚢(もうのう)とも言い、毛根を包む袋状の組織です。毛包は以下の3つで構成されています。
- 上皮性毛包
- 硝子膜
- 結合組織毛包
発毛を促すだけではなく、皮膚呼吸など大切な役割を担っています。
毛包のうち、目に見えている部分は毛穴です。毛穴に皮脂が溜まると角栓になり、肌トラブルとなる場所です。
ムダ毛の周期
ムダ毛は処理しても、永久脱毛をしない限りは一定の期間を経れば生えてきます。肌への負担を減らして効率良く脱毛するには、ムダ毛が生えてから抜けるまでの周期を知る必要があります。ムダ毛の周期は体毛は、「毛周期」というサイクルで生え変わります。
『毛周期』は、成長期、退行期、休止期と大きく3つの期間に分けられます。
成長期
毛母細胞が活性化して細胞分裂を繰り返して、毛を成長させる期間です。毛の成長期は次のような流れになります。
- バルジ(発毛効果の高い根幹)に発毛因子が生まれる
- 毛乳頭と繋がる(毛細血管を伝って栄養を受け取る)
- 毛母細胞に繋がり活性化
- 細胞分裂を繰り返す
- 毛が伸びる
この一連の流れは大体3週間~1ヶ月かけて行われます。
退行期
毛母細胞の細胞分裂が弱まる期間です。
成長を終えたこの期間では、毛が抜け落ちる準備を始めるので、抜けやすい状態になります。
- 細胞分裂が弱まる
- 毛母細胞と毛乳頭の結合が弱くなる
- 抜けやすくなる(皮膚内に残った毛も徐々に押し上げられます。)
退行期に入る期間は1~2週間くらいです。
休止期
毛が抜け落ち、次に生えるまでの準備期間です。
細胞分裂が弱まってやがてはストップすると、毛が抜け落ち、皮膚の外にも中にも毛がない状態が続きます。
この期間が大体1ヶ月~2ヶ月続いて、また成長期に戻ります。
ムダ毛の各部位の周期
大まかな周期は存在しますが、それは体の部位によっても異なります。
ワキ毛
この部分の毛が生え変わるまで4ヶ月かかります。休止期、成長期共に3~5ヶ月。1日0.3mmずつ伸びてきます。
VIOライン
ビキニやTバックのショーツを履く時に気になるこの部分は、ワキ毛と同様に4ヶ月で生え変わります。
VIOラインは休止期が1~1年半、成長期が1~2年と全体的に周期が長く、脱毛処理に時間を要する部位です。1日に0.2mmずつ伸びます。
手と脚
成長期、休止期共に3~5ヶ月で、1日に0.2~0.3mmずつ伸びてきます。
ここまで見ると、ムダ毛と言われる部分は意外とすぐに生えてくるというのがわかりますね。
髪などの生え方に個人差があるのと同じで、ムダ毛の生え方にも個人差が存在し、今回紹介した周期とは異なる場合もあります。自分のムダ毛の周期を把握し、ムダ毛と上手く付き合っていきましょう。